発熱

最終更新:2026年8月20日

発熱は、視床下部の体温調節中枢が設定する体温の目標値(セットポイント)が上昇し、深部体温が通常より高くなる生体反応である。感染症が最も一般的な原因だが、炎症、悪性腫瘍、薬剤などでも生じる。[1][2]

発熱の仕組み

感染などによって免疫系からIL-1、IL-6、TNFなどの炎症性メディエーターが放出されると、プロスタグランジンE2(PGE2)を介して視床下部体温セットポイントが上昇する。身体は新しい設定温度へ近づくため、悪寒、ふるえ、末梢血管収縮などを起こして体温を上げる。[2]

発熱と高体温の違い

発熱では視床下部のセットポイント自体が上昇している。一方、高体温ではセットポイントは変わらず、外部からの熱負荷や体内での過剰な熱産生によって体温が制御範囲を超えて上昇する。両者は病態も対応も異なる。[2]

主な原因

発熱の最も一般的な原因は感染症である。感染以外では、自己免疫疾患や炎症性疾患、悪性腫瘍、一部の抗菌薬降圧薬抗けいれん薬などの薬剤、予防接種後などでも発熱することがある。[1][2]

体温の測定

体温は測定部位によって値が異なり、腋窩、口腔、鼓膜、直腸などで基準となる値に差がある。本人の平常体温にも個人差があるため、単一の数値だけでなく測定方法や普段の体温も考慮する。触った感覚だけで発熱を判断する方法は不正確である。[2]

身体への影響

発熱すると代謝率、心拍数、呼吸数、酸素需要などが増加する。免疫系の活性化や一部の病原体の増殖抑制に関与する一方、著しく高い体温が持続すると臓器へ負担を与える。[2]

解熱と治療

治療の中心は発熱そのものではなく原因への対応である。必要に応じてアセトアミノフェンやNSAIDsなどの解熱薬が用いられるが、すべての発熱で一律に解熱する必要があるわけではない。水分を十分に確保し、脱水を防ぐことも重要である。[1][2]

小児での注意

小児の発熱にはアスピリンを使用しない。解熱薬を使う場合も年齢や体重に応じた薬剤・用量を選ぶ必要がある。[1]

エビデンス・科学的評価

発熱は、免疫反応に伴うPGE2などの作用で視床下部の体温セットポイントが上昇することで起こり、セットポイントが変わらない高体温とは区別される。[2]

安全性・注意点

意識障害、けいれん、重い脱水、呼吸困難、極端な高体温などを伴う場合は緊急評価が必要となる。小児の発熱にはアスピリンを使用しない。[1][2]

参考文献・参考情報

  1. MedlinePlus: Fever ↩本文
  2. NCBI Bookshelf: Physiology, Fever ↩本文

カテゴリ:症状・疾患

タグ:体温 / 症状 / 発熱

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