溺水

最終更新:2026年8月20日

溺水は、水などの液体への浸水・没水によって呼吸障害が生じる過程である。転帰は死亡に至る致死性溺水と、後遺症の有無を問わず生存する非致死性溺水に分けられる。[2]

病態

溺水では気道閉塞や水の誤嚥によって低酸素血症が進み、を含む全身の組織が酸素不足に陥る。ではサーファクタント障害や非心原性肺水腫急性呼吸窮迫症候群(ARDS)が生じることがあり、重症度を左右する中心的な問題は低酸素である。[2]

症状

臨床像は咳、息苦しさ、呼吸障害、意識変容から心停止まで幅がある。溺水は短時間かつ静かに起こることが多く、激しくもがくとは限らない。[1][2]

初期対応

救助では救助者自身の安全を確保したうえで速やかに水中から救出し、気道・呼吸・循環を評価する。溺水では低酸素が主要な問題であるため、呼吸がない場合は救命処置において換気・酸素化が特に重要となる。水中での人工呼吸は、訓練を受けた救助者が安全に実施できる場合に限られる。[2]

医療機関での評価

診断は主に浸水・没水の経過と臨床所見に基づく。症状がなく酸素化が正常な人では検査が必須とは限らない一方、低酸素や進行する呼吸症状、意識障害がある場合には状態に応じて胸部画像、血液ガス血糖代謝検査などが検討される。[2]

合併症と経過

重症例では低酸素性脳障害、ARDS、肺炎、不整脈、心機能低下、多臓器障害などが起こり得る。予後には浸水時間、低酸素の持続時間、蘇生開始までの時間、併存疾患などが関係する。[2]

予防

プール周囲の柵、子どもの継続的な監視、ボート利用時の救命胴衣、飲酒・鎮静薬使用時に泳がないこと、心肺蘇生法を学ぶことなどが予防策として挙げられる。[1][2]

エビデンス・科学的評価

溺水の主要な病態は低酸素であり、早期の救助、換気・酸素化、必要な蘇生が転帰を左右する。[2]

安全性・注意点

溺水後に咳、呼吸困難、意識変容などがある場合や、何らかの蘇生処置を受けた場合は医療評価が必要となる。救助は救助者自身の安全を確保して行う。[2]

参考文献・参考情報

  1. MedlinePlus: Drowning ↩本文
  2. NCBI Bookshelf: Drowning — Clinical Management ↩本文

カテゴリ:呼吸 / 救急 / 症状・疾患

タグ:低酸素 / 救命 / 溺水

知識マップ

関連する項目をタップして、医学知識のつながりをたどれます。

いま見ている項目 溺水 溺水は、水などの液体への浸水・没水によって呼吸障害が生じる過程である。転帰は死亡に至る致死性溺水と、後遺症の有無を問わず生存する非致死性溺水に分けられる。 呼吸・救急・症状・疾患 この記事を読む →

周囲の項目を押すと、その項目を中心にマップが切り替わります。

関連項目