ドケルバン病

最終更新:2026年8月20日

ドケルバン病は、手首の親指側にある第1背側区画で腱が狭窄・圧迫され、親指や手首の動作で痛みを生じる腱鞘障害である。[1]

病態と症状

主に長母指外転筋腱と短母指伸筋腱を包む腱鞘が肥厚し、橈茎状突起付近の線維性トンネル内で腱が動きにくくなる。親指の動きや手首の橈屈・尺屈で痛みが増え、手首の親指側に圧痛や腫れを認めることがある。妊娠後期や産後の女性にも多い。[1]

診断

診断は病歴と診察が中心で、Finkelsteinテストなどの誘発試験が用いられる。X線は他の骨・関節疾患を除外するために使われることがあり、超音波は第1背側区画内の隔壁を確認し、注射や手術の計画に役立つ。[1]

治療

症状が続く場合は、取り外し可能な装具、抗炎症薬、腱鞘内へのステロイド注射などが用いられる。保存療法で十分な改善が得られない場合には、第1背側区画を開放する手術が選択される。[1]

経過

装具やステロイド注射などの保存的治療で多くの人が改善するが、再発することもある。治療を受けずに痛みが持続すると日常動作の障害につながる場合があり、反復動作を避けることや必要に応じた手のリハビリテーションが再発予防に重要となる。[1]

エビデンス・科学的評価

ステロイド注射は1〜2回で多くの患者に症状軽減をもたらすとされ、超音波ガイド下では区画内の隔壁を確認しながら注入できる。保存療法が無効な場合、手術でも高い症状改善率が報告されている。[1]

安全性・注意点

ステロイド注射では皮下脂肪萎縮や色素脱失が起こり得て、短期間に繰り返すと腱の脆弱化や断裂につながる可能性がある。手術では浅橈骨神経損傷、感染、創離開、腱の亜脱臼などに注意する。[1]

参考文献・参考情報

  1. NCBI Bookshelf: De Quervain Tenosynovitis ↩本文

カテゴリ:症状・疾患 / 筋肉 /

タグ:手首 / 母指 / 腱鞘炎

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