ダンス・ムーブメント療法

最終更新:2026年8月13日

ダンス・ムーブメント療法(Dance/Movement Therapy:DMT)は、身体の動きやダンスを心理療法として用い、感情、認知、身体、社会的な側面の統合を目指す心身アプローチである。[1][2]

概要

DMTでは、単にダンスを練習するのではなく、心理療法としての明確な目的を持って身体の動きやダンスを用いる。個人または集団で行われ、訓練を受けた実践者が、動き、姿勢、リズム、非言語的なやり取りなどを治療関係の中で扱う。[1][2]

特徴

実践には、自由または構造化された動き、即興、相手の動きを映すように行うミラーリング、象徴的な動き、身体感覚への注意、必要に応じた言語的な振り返りなどが含まれる。方法は一つに統一されておらず、流派や対象によって構成が異なる。[1][2]

実施形態

研究では、個人または集団形式が用いられ、1回のセッションは数十分から90分程度、数週間から数か月にわたって実施される例がある。臨床、教育、リハビリテーションなど複数の場で研究されている。[1][2]

研究対象

うつ病不安統合失調症、自閉スペクトラム症、がんパーキンソン病、高齢者など、さまざまな対象で研究されている。ただし、DMTと一般的なダンス介入は治療目的や実施者が異なるため、研究結果を同一の介入として扱う際には区別が必要となる。[1][2]

関連項目

アートセラピーバランス催眠療法を参照。

エビデンス・科学的評価

うつ病を対象としたCochraneレビューでは、3試験・147人のデータからDMTの有効性について確かな結論を出せず、エビデンスの質は低いまたは非常に低いと評価された。2019年のメタアナリシスでは41研究・2,374人を解析し、DMT研究だけを分けた解析では小さいが統計学的に有意で比較的一貫した効果が示された一方、研究方法や対象、評価尺度のばらつきが重要な限界とされた。[1][2]

安全性・注意点

うつ病を対象としたCochraneレビューに含まれた試験では有害事象は報告されなかったが、試験数と参加者数が少なく、安全性を十分に評価できる情報量ではない。[1]

参考文献・参考情報

  1. Cochrane Review (PMC): Dance Movement Therapy for Depression ↩本文
  2. PMC: Effects of Dance Movement Therapy and Dance on Health-Related Psychological Outcomes ↩本文

カテゴリ:心身アプローチ / 運動・身体療法

タグ:心理支援 / 芸術療法 / 身体表現