概要
洞性徐脈は、心臓の自然なペースメーカーである洞結節から正常に興奮が始まりながら、心拍数が毎分60回未満となるリズムである。健康な若年者や運動選手では生理的なこともある。[1]
症状
無症状のことが多いが、疲労、ふらつき、めまい、運動耐容能の低下、失神・失神前状態、狭心症や心不全症状の悪化などがみられる場合がある。[1]
評価
12誘導心電図で洞調律と心拍数を確認する。血行動態の安定性を評価し、血糖、電解質、カルシウム、マグネシウム、甲状腺機能、心筋障害マーカー、薬物など徐脈の原因を調べる。[1]
治療
無症状で健康な人では治療を必要としない場合がある。症状を伴い血行動態が不安定な場合はアトロピンなどによる緊急治療を行い、改善しなければ一時的ペーシングを検討する。原因薬剤があれば中止・調整し、持続する症候性徐脈では恒久的ペースメーカーが必要となることがある。[1]
生理的な徐脈と病的な徐脈
若い健康な人や運動選手では迷走神経緊張が高く、安静時や睡眠中に洞性徐脈となることがある。一方、虚血性心疾患、洞不全症候群、甲状腺機能低下症、睡眠時無呼吸、低酸素、高カリウム血症などの病態や、β遮断薬、カルシウム拮抗薬、ジゴキシンなどの薬剤でも起こり得る。[1]
原因治療
血行動態が安定している場合でも、感染症や甲状腺異常など原因が見つかれば、その原因を治療したうえで心拍と症状を再評価する。薬剤性が疑われる場合は処方内容を確認し、可能なら原因薬を調整する。[1]