概要
慢性腎臓病に伴う貧血は、一般に赤血球の大きさや色調が比較的保たれた低産生性の貧血としてみられる。腎機能低下が進むほど頻度は高くなる。[1]
仕組み
最も重要な要因は、腎臓でのエリスロポエチン産生低下である。エリスロポエチンは骨髄での赤血球産生を促すホルモンである。慢性炎症に伴う鉄利用障害、赤血球寿命の短縮、透析や出血による血液喪失、葉酸・ビタミンB12不足なども関与し得る。[1]
評価
評価では血算に加え、鉄の状態、ビタミンB12や葉酸など、貧血を悪化させる他の原因を確認する。慢性腎臓病があるからといって、すべての貧血を腎性貧血と決めつけず、他の原因を除外することが重要となる。[1]
治療
治療には鉄補充や、エリスロポエチン作用を補う赤血球造血刺激因子(ESA)が用いられる。開始や目標はヘモグロビン値だけでなく、症状、鉄の状態、輸血の必要性、治療に伴うリスクなどを踏まえて個別に判断される。[1]
鉄不足の評価
慢性腎臓病では、体内の鉄そのものが不足する絶対的鉄欠乏だけでなく、炎症などの影響で貯蔵鉄を十分に利用できない機能的鉄欠乏が起こる。ESA治療の反応にも影響するため、鉄指標を確認し、必要に応じて鉄補充を組み合わせる。[1]