ここも近年の作品との比較になりますが、主人公が悩んで落ち込む期間や、ヤケになる期間というのは色々な作品がやりすぎて、今の時代には求められていないのかもしれません。
他作品では主人公が挫折して、それを友情や修行で乗り越えて、新たな力を手に入れて復活、というある種の定石があったと思うのですが、
この作品やハイキューに関しては、挫折はあるものの落ち込む時間自体はかなり削っているんですよね。あるいは落ち込むにしてもヤケにならずに、冷静に落ち込んでくれるというか。
読者をヤキモキさせる時間、作品を必要以上に暗くする時間を削って、課題への解決を非常に前向きに行なっています。
ネガティブなキャラであってもそのネガティブさの出し方が非常に明るいというか。
これのおかげで作品自体が中弛みする箇所を作らずに走り切れたところもあるのかなと。
炭治郎の場合は作中のキャラの中でも特に明るく、あるいは冷静に落ち込んでくれるため、
ヤケにならない、人のせいにしないため
マイナスなメンタルの時でも読者や周りの人に不快感を与えないのは強みでしょう。
家族愛
炭治郎におけるテーマの一つが「家族愛」。
妹との支え合い、父から受け継いだ技と心意気など、
炭治郎は家族から多くのものを手に入れてきました。
非常にまっすぐに家族愛が描写されており、
この辺りの演出が作品にある種の爽やかさを与えているのだと思います。
そういう意味では主人公の炭治郎が担った役割というのは大きいものだと言えるでしょう。
というわけで今回はこの辺りで。
また次回。
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