あんたはもう このポコロコを抜き返すことは出来ない…”
ヘイ・ヤー
自我を持ったスタンドで、ひたすら自分を励まし続けてくれる能力。時に“自分の○○を信じろ”と鼓舞され、時に“あそこの△△に乗り上げろ”など具体的なアドバイスを送られる。
あくまで自我を持っているだけのスタンドで、特殊な能力は何一つない。
故に“最弱のスタンドは何か”という話で挙がることがある。
チープ・トリックやスーパーフライなど、発現した者に不自由や不幸をもたらす能力はあるものの、
そういった能力は他者に対しても強烈な害となり、つまりは強大なスタンドパワーを有している。
そういう意味では、ただひたすら話しかけてくるだけのヘイ・ヤーは、スタンドとしてのパワー的に最弱の部類なのかもしれない。
ただし、スタンドの中ではパワー不足というだけで、有って不幸になるスタンドというわけではない。
話しかけてくるのがうるさいと感じるならばスタンドを出さなければいいだけで、
基本的にはプラスになる能力である。
特殊なことは何もできないが、具体的なアドバイスを送ってくれることはあるし、見張りとしても機能する。
なにより鼓舞してくれる存在が居る、というのは精神的に支えになることは間違いない。
先程特殊な能力は何もない、と言ったが、
しかしヘイ・ヤーには“励まし続けてくれる”という他のスタンドには無い個性がある。
どんな人間でも悩みにぶち当たることはあり、それに苦悩し道を諦めたり外れることは往々にしてある。
そんな時にヘイ・ヤーは励まし支えてくれるに違いない。
ある意味誰が持っていても能力が腐ることのないスタンドと言えるだろう。
スタンドの話はついつい戦闘能力の強さを中心に考えてしまうが、
人間的な強さを育ててくれるのがこのスタンドの長所なのかもしれない。
作中ではポコロコの意思決定をことごとくサポートした。
運を味方につけているポコロコであれば、どんな選択肢をとってもなんだかんだ良い結果を出せたかもしれないが、
レースを進める上でのモチベーションには間違いなくヘイ・ヤーは関わっているはずだ。
自己肯定感を高めてくれて、孤独感を紛らわせてくれて、時には具体的なアドバイスも送ってもらえる。
現代人の一定数が欲しがるスタンドではないだろうか。
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